ウメサオタダオ展/ローマ字とひらかな/Visual Thinking

科学未来館にウメサオタダオ展を見に行く。梅棹忠夫は「知的生産の技術」という本の中で紹介している京大式カードというB6のカードを使った情報整理術で有名である。梅棹忠夫についてはあまり詳しくはなかったのだが、何人かの信頼できるアンテナにひっかかっているようなので追ってみることにした。

ローマ字とひなかな

この本を読んで驚いたのは、もちろん有名なカードによる整理術も興味深かったのだけれど、「ペンからタイプライターへ」という章でローマ字とひらがな(本の中ではひらかな)や新字論についての一節があったところだ。全く知らなかったのだが、この本によると、日本には脱漢字の運動が古くから存在し、ローマ字表記やカナモジ表記、はたまた新しく文字を作ってしまおうと度々試されていたらしい。梅棹忠夫もローマ字タイプライターを使い、まずは全てローマ字で書く事を試し、友人にもローマ字で手紙を送り、賛否両論の反応をうけ、その後、ひらかなタイプライターを使うことに落ちついた、と書いていた。

ウメサオタダオ展では実際にローマ字でタイプした大量のカードが展示してあった

『ローマ字を使うとなるたけ耳で聞いてわかることばを使うようになる。その結果、わたしの文章は文体からしてすっかり変わってしまうことになった』(知的生産の技術 P.129)

梅棹忠夫は65歳の時に失明し、その後は口述筆記で著作をつづけることになる。もしかすると、この時の経験がその後の創作活動につながったのかもしれない。

ところで、漢字を捨てて表音文字を標準にしたというと韓国があげられる。ハングルは表音文字であり、漢字は人名などでは残っているものの、ほとんど使われなくなってきているそうだ。その事を是非については語るつもりはないが、日本においても同様の試みが行われていたことを知って大きく驚いた。

Visual Thinking

展示では梅棹がアイデアを組み立てる時につったという「こざね法」という小さいカード(京大カードよりも小さい)にキーワードを書いて、それを組み立ててシーケンスを作って行くやり方も紹介していた。

案内の人に「梅棹さんというとカードによる情報整理が有名ですが、失明後はどうやっていたのですか?」と聞いてみたところ「この『こざね法』を長く使っていたので、頭の中でビジュアル的に並べ替える訓練ができていたそうなのです」との答えだった。なるほど。「知的生産の技術」の中でも「カードは忘れるために書く」と述べている。そうやって一度情報を外化すると、別の視点から組みあげることができるようになるのは、KJ法やマインドマップ等を使ったことがあれば納得するところだと思う。それも長く続けて行くと脳の中だけでできるようになるのか、と驚く。なんだか音楽家のようだ。

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